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大阪上本町駅とアベノハルカスから歩いて行ける有名寺院 ~四天王寺~
大阪のシェラトン都ホテルに出張で来た際、近くに四天王寺があると知り、今回初めて行ってきました。
なんでも「日本で最古のお寺」とかなんとか?一度くらい見ておいてもいいかなと思い仕事の合間をぬってレッツゴー!
お寺だからいつでもふらっと入れるのかなと思いきや、伽藍に入るには閉門時間があることを知りました。9月の閉門時間は16:30とのこと。それに気づいたのが16時。
歩いて行こうと思ったのに着く頃には閉まってしまう・・。今回のチャンスを逃したら次はいつになるか分からないと思い、行きはタクシーで行くことにしました。
シェラトン都ホテル(大阪上本町駅)から距離にして約1.7km、タクシーだと5分位であっという間に着きました。料金は800円くらいでした。
ちなみに帰りはホテルまで歩いて約20分ほどでした。
いよいよ四天王寺に着きました!
四天王寺は日本最古のお寺って聞いたけどそんなに古いの?
せっかくお参りするので、この際に四天王寺について歴史など調べてみました。
最初の四天王寺が建てられたのは593年、今から約1400年前。聖徳太子が鎮護国家と衆生救済を願い仏教の守護神である四天王を安置したのが始まりと言われています。
いただいたお寺のパンフレットにも日本仏法最初のお寺と書かれています。
「当時のお寺が残っているなんて何てすごいことなんだ・・。」
と期待に胸を膨らませて行ったのですが・・。
後に、ほとんどの建物は戦後の再建であると知りました。大阪は空襲で大きな被害を受けましたがこの四天王寺も焼けてしまったとは本当に残念です。
ではここからが四天王寺の詳細レポートです。書かれている年代や情報は現地で見聞きしたもの、又は四天王寺の公式ホームページを参考にしています。
そびえ立つ五重塔を見て四天王寺に来てよかった!
四天王寺のお参り開始です!
谷町筋からお寺の境内に入って五重塔がそびえ立つ姿を見ると
さっそく「はるばる四天王寺に来て良かった。」と思いました。都会のど真ん中とは思えない、大きく重厚な伽藍が絵になります。
もっとこじんまりとしたお寺かと思っていたら境内はとても広いようです。様々な建物があり、どこから見ればいいのか分かりません。(広さは甲子園球場の約3倍とのこと!)
今の時刻は16時10分。
閉門時間は16時半です。幸いにも私にはあと約20分位しか本堂を見る時間が残されていなかったので、取り急ぎ本堂にお参りすることにしました。
宗派は和宗なのになぜ親鸞聖人像が?
西門から入ると西大門という大きな門の手前に親鸞聖人像があります。鎌倉時代初期の浄土真宗の開祖です。
四天王寺は戦前までは天台宗に属していたが、戦後は宗派を問わず誰でもお参りできる「和宗」として独立しました。
ではなぜ宗派が関係ないのに、親鸞聖人の像があるのか?調べてみると、聖徳太子と親鸞聖人に関係があることが分かりました。
親鸞聖人は聖徳太子を「和国の救主」として大変尊敬されていたようです。
参考:親鸞聖人と聖徳太子 (伝道ブックス) Kindle版
大きな極楽門を通ると、柱に何か車輪のようなものがついています。
説明によると、インドの戦車の車輪を形どったもので、「お釈迦様の教え」の意味があるそうです。時計回りにくるくる回して、仏様の教えが車輪のように回転して遠くまで広がるという様子を表しているものだそうです。
いろいろ考えるなぁ。
入場料金300円を払って伽藍の中へ入ります。
有料で見ることができるのは下記の3つの建物です。
- 金堂
- 五重塔
- 講堂
上記の写真は左が金堂、右が五重塔です。
せっかくなので、金堂で何が見られるのか学んだことを書いておきます。
観世音菩薩像がたたずむ金堂
金堂の年表
- 1934 室戸台風により傾斜破損
- 1945 大阪大空襲により境内のほぼ全域が灰燼となる
- 1961 金堂再建
中へは靴を脱がずに入ることができます。中の写真撮影は禁止です。
中はうっすらとした明るさに、本堂の真ん中に仏像がたたずんでいます。
ご本尊は救世観世音菩薩です。「聖徳太子護持救世観世音菩薩」と書かれていました。
観世音菩薩の四方に四天王像が祀られています。四天王とは仏教の世界の東西南北を守護する仏様で、平安時代までは四天王をご本尊としていたようです。
金堂の中はこじんまりとしているので、さっと見るだけなら5分もかからないです。
しかし仏像をじっくり眺めたり、壁面のお釈迦様の生涯の説明を読むと10分から15分くらいかかるでしょうか。
ちなみにこちらの観世音菩薩、何か鐘のような物の上に座っています。金堂の中で 作務衣を着た男性の方に「これは何の上に座っているのですか?」と聞いて見ると、「何だかちょっと分かりません。」とのことでした。残念。
16:20に絶対クローズする五重塔
五重塔の年表
- 1934 室戸台風により壊滅
- 1934 室戸台風により倒壊
- 1940 五重塔再建
- 1945 大阪大空襲により五重塔炎上
- 1959年五重塔再建(8代目)
鉄筋コンクリート造りの見た目はモダンな五重塔です。
中へは靴を脱いで上がります。自分の靴を布製の靴袋に入れて持ち歩く仕組みです。
中の写真撮影は禁止です。
五重塔に上がろうとしたのは16:15位。上がろうとすると、お寺で働くお姉様(おばあさま)に
「クローズ、クローズ!!」と手をバツの形に交差して大声で止められてしまいました。
確かに五重塔の入り口に16:20で閉まると書いてあります。
「あと5分あるのでさっと見てきてもいいですか。」となんとか許しをもらうと前の台湾人観光客に続いて猛ダッシュで上へ上がりました。
中は全て階段で5階まで上がることができます。
中は何かというと、お位牌が安置してありました。
私は個人的にお位牌など、亡くなった方の魂が宿っていそうなものが集まる所へ行くと正直良い気持ちはしません。空位が清々しくないというか・・。
決して悪い空気ではないと思うのですが・・。しかし本来なら静かに安置されるお位牌を観光客の見世物にするのは亡くなった方やご家族はどんな気持ちなのかな?と余計な心配をしてしまいました。
5階には仏舎利が納められています。窓からは外の景色を眺めることができます。39mの高さなので「わお!」と驚くような絶景ではありませんが、上まで無事登れたことに満足でした。
下に降りると、先ほどのお寺のおばあさまが門番のようにいざ鍵を閉めようと待ち構えていました。
2体の巨大仏像は必見 講堂
金堂を正面に見て、左手奥にあるのが講堂です。
こちらも靴を脱がずに入ることができます。
中には2体の大きな仏像がお祀りされていました。
十一面観音菩薩と、6mの高さの阿弥陀如来像です。どちらも大きくひっそりとたたずむ姿は圧巻です。
龍の姿が浮かび上がる?龍の井戸
金堂と講堂の間に、西重門の間に深い井戸がありました。龍の井戸と言うそうです。
四天王寺の地下に龍が住んでいて、お寺の守護をしてくれているそうです。屋根の天井には龍の姿が描かれていて、井戸を覗き込むと水面に龍が浮かび上がるようになっています。
皆さんものぞいてみて下さい。龍の姿が見えましたか?
丸い形の池 丸池
無事に金堂と講堂の参拝が終わったので、今度は境内を歩いてみることにしました。
金堂を正面にして、左側に歩いていくと池がありました!丸い形なので丸池と言うそうです。
説明書きによると、池の水が枯れることはなく昔から雨乞いを行う際に聖水として使われていたようです。
戦前の建物が残る六時堂と亀が大量に泳いでいる亀の池
丸池の隣にはさらに大きな池がありました。目をこらしてよく見ると、亀が大量に泳いでいました!写真にもたくさんの亀が気持ちよさそうに甲羅を乾かしているのが見えます。
今まで亀にあまり興味はなかったのですが、亀を見ていると何だか癒されるような気がします。
また亀池の前には六時堂というお堂があります。1日6回諸礼讃をするので六時礼讃堂と呼ばれているそうです。供養や納骨、法要などのセレモニーを行うのが主な役割のようです。
ご本尊は薬師如来と四天王像。中は暗くなっていて仏像はうっすらとしか見えませんでした。
六時堂の建物は戦火をまぬがれたので1600年代(1615~1624)に再建されたものが残っています。重要文化財に指定されています。
苔に覆われる亀井不動尊
亀の池の地くには亀井堂、そして上記の写真の亀井不動産のお堂がありました。ご本尊は水掛け不動尊です。そのため仏像は苔に覆われていました。
聖徳太子が亀井の井戸をのぞいた際に仏法の守護神である不動明王の姿が水面に映っていたのが起源とのこと。
左に子育て地蔵尊、右に延命地蔵尊がお祀りされています。
苔のせいかとても年代物の仏像に見えますが、戦後1955年に再建されたお堂のようです。
石になった牛をお祀りする牛王尊
亀井不動尊の向かいには小さなお堂があります。中をのぞいてみると牛の石像がお祀りされています。593年に四天王寺が建立された際、建築資材を運搬した牛が石となりお祀りされているのです。
病気の治癒を願う人々の絵馬が奉納されています。(牛は草を食べるから、子どもの顔にできるくさをとってくれるという信仰に発展したとのこと。)
壁ごしに見える太子殿と太子奥殿
今回は入りませんでしたが、金堂を正面にしてその裏側に行くと壁の向こうに太子殿という丸っぽい建物の屋根が見えます。上の写真では丸い屋根が太子奥殿、右の建物が太子殿です。
太子殿は聖徳太子をお祀りしているお堂だそうです。
長生きしたい方は普賢菩薩のお参りを
太子殿の向かいに側(境内側)にはいくつかお堂が並んでいます。こちらは普賢菩薩像。
普賢菩薩とは、お釈迦様の脇侍として一切衆生を救う菩薩です。脇侍というと難しいですが、お釈迦様の補佐というイメージでしょうか。普賢菩薩には延命の徳があるとされているようです。
建築関係に携わる方は番匠堂へ
上の写真は番匠堂です。建築に携わる人々が建築技術の向上、工事の無事安全を願う人々によってお祀りされたとのことです。聖徳太子が、日本に仏教を広めたと同時に、朝鮮半島や百済から名工を招聘され高度な建築技術を導入されたことに由来しているそうです。
滞在時間は早足でも50分位かかったが行って良かった
四天王寺の境内は広いです。本当に様々なお堂があり1つ1つ立ち止まってお参りしたら軽く1時間以上はかかってしまいます。
今回の滞在時間は有料ゾーンの金堂・講堂・五重塔をササッとまわって20分位。それ以外の境内を早足歩いて約30分位でした。境内を一通り歩き、トータル滞在時間約50分位です。お土産屋さんは閉まっていたので見ていません。
早足で50分かかったので、ゆっくりと見たら1時間半くらいはかかるのではないでしょうか。
たくさん歩いてくたくたになりましたが、都会のど真ん中にある歴史あるお寺で、なんだかタイムスリップしたような気持になりました。
大阪に出張・観光で来たなら四天王寺は訪れる価値のあるお寺です。大阪の観光名所は見尽くしてしまった、、という方におすすめです。
アベノハルカスからも徒歩又はバスで行けますよ~。(アベノハルカスから四天王寺まで2.2kmです。)
大阪の歴史を勉強したいという方にはこちらの本が役立ちますよ~。